森と蔵

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26年02月01日

「変わらない火、始まりの合図」

近くの神社で、例年通りの例大祭が行われた。
木の匂いが残る社殿、畳に座って囲む簡素な食事、少しざわつきながらもどこか落ち着いた空気。
誰かが仕切るわけでもなく、けれど毎年、自然と同じ場所に人が集まる。

田舎では、こうした風景が当たり前のように毎年繰り返される。
派手さはない。効率も、合理性も、最適化もない。
ただ「今年もこの日が来た」という事実だけが、静かにそこにある。

一月には、どんど焼きが行われる。
正月飾りや書き初めを火にくべ、炎とともに一年を送り出す行事。
本来は、歳神様を見送り、無病息災や五穀豊穣を願うためのものだと言われている。
けれど、正直なところ、参加している誰もがその意味を強く意識しているわけではない。

それでも、火を囲むと、
「ああ、今年も始まったな」
そんな感覚だけは、毎年確かに残る。

この行事に、改善案はない。
時間短縮も、コスト削減も、KPIも存在しない。
変わらないこと自体が、役割であり、価値なのだと思う。

一方で、世の中は変わることを求め続けている。
変化しなければ置いていかれ、成長しなければ意味がない、と。
それもまた、正しい。

変わることの大切さ。
そして、変わらないことの尊さ。
田舎の祭りやどんど焼きは、その両方を、何も主張せずに教えてくれる。


毎年同じ火を見て、同じように一年の始まりを感じる。

今年もまた、静かに始まった。

それでいい。
それがいい。

 

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