25年01月20日
「森と蔵で暮らす人たち」 Aさん夫妻(👨50代後半・👩50代後半)
東京と桜川市、2か所に住居をもつAさん夫妻は、ともに50代後半。桜川市にも住居をもったのは、ご主人の趣味、パラグライダーがきっかけです。
👨「最初は、石岡市八郷地区にあるパラグライダークラブに所属していて、そこから近い場所に週末だけ簡単に寝泊まりできるような場所を借りたいと思ったんです」
👩「でもそれだと週末別居になります。私も一緒に田舎での暮らしを楽しみたいと思い、移住の検討を始めました」
👨「そこで東京に電車で通えるような地域で、中古物件や土地を探したのですが、なかなか思うようなものは見つかりませんでした。そうこうしているうちに東京の便利さが捨てがたくなってきたんです。これから老いていくことを考えると、東京から完全に離れるのは無謀ではないか。そんなふうに思い始めたときに見つけたのが『森と蔵』です。ここなら自分たちが望む暮らしができる、と即断即決でした」
自分たちが望む暮らし、とはどんな暮らしですか?
👨「田舎暮らしを楽しみながら、東京との接点を持ち続ける暮らし、つまり2拠点居住です。夫婦ともにリモートワークも可能ですが、100%というわけにはいきません。程よく東京とも繋がっている必要がありました」
「森と蔵」のどんなところが気に入ったのですか?
👩「間取りやデザインが気に入りました。土地を探した経験があるからわかるのですが、こんなに眺めがよくて日当たりのいい場所はなかなか見つかりません。見つかったとしてもそこからまた家を建てなくてはいけない。お金も時間も労力もすごくかかります。でもここはすでに素敵なデザインの家が建っていて水道も通っているし、ゴミ捨て場もある。自分たちの希望が実現できている物件が『森と蔵』だったんです」
👨「賃貸なのに自由度が高いことも気に入っています。庭でB B Qもできるんです。薪ストーブも魅力でした」
暮らしはいかがですか?
👨「平日はリモートで仕事をして、週末はパラグライダーに行ったり、大工仕事をしたりしています。大工仕事はもともと好きでしたが、ここに来て一気に火がつきました。東京では十分なスペースがありませんし、音が気になるからできなかったんです。ウッドデッキに作業道具を少しずつ揃えて、家具を作ったり、ウッドデッキを増設したりして、もう作るものがないくらい(笑)。そこで最近、溶接機を買いました」
👩「私は、野菜の直売所が大好きで、地元だけでなく真岡や笠間にも足を伸ばして新鮮な野菜を購入しています。東京のスーパーで買うものとはまるで違うんです。キュウリも大根も瑞々しくて、切れ味がすごくいい。ナスもずしりと重い。ルッコラやクレソンもたっぷりの量が安価で手に入ります。料理がすごく楽しくなりましたし、東京に帰る時も野菜はこちらで買って帰流ようになりました。お肉も近くのスーパー『カスミ フードスクエア』で、品質のいいものを売っています。美味しいパン屋さんが近くにあることもポイントが高いですね」
東京へはどれくらいの頻度で帰っていますか?
👨「月に2、3回です。出社してメンバーと顔を合わせるようにしています。なるべく妻とタイミングを合わせていますが、最近はつくばエクスプレスのみどりの駅まで車で行って、そこからオフィスに向かうことも増えました。駐車場代が安いので助かっています」
2拠点居住にはどんなメリットがありますか?
👨「天候に左右されるパラグライダーが存分に楽しめるようになりました。ここなら風がいい時にサッと出かけて、悪い時はすぐに諦めて帰ればいいですから。大工仕事もここだからできることです。
だけどここでは自分のスキルを活かせる仕事が見つからない。だから東京というビジネスの場から離れることはできません。1カ所では満足できる人生にはならない。2カ所でようやく人生の課題解決が可能になりました」
👩「私も仕事の中心は東京ですが、東京は時間の流れが慌ただしくて、こちらに帰ってくるとホッとします。東京の慌ただしさを知っているから、こちらのよさを実感できるのかもしれませんね」
2拠点居住で不便に思う点はありますか?
👩「ものの管理で混乱することがあります。服や書籍など、どちらに何を置いているかがわからなくなるんです。最近、気に入った服は2着購入して両方に置くようにしています。思いつくことと言えば、それくらいでしょうか」
これからの抱負をお聞かせください。
👨「ここでの暮らしにとても満足しているので、このままできるだけ長く続けたいですね。賃貸住宅は、持ち家と違い資産として残りませんが、賃貸だからこそ何かあった時には潔くこの暮らしを止めることができますから、リスク管理としては正解だと思っています」
👩「自然が身近にあって、近所の方ともいい距離でお付き合いができる今の暮らしにとても満足しています。東京では騒音に気を使いますし、駅やスーパーでも車の運転でもイライラしている人が多いように感じます。こちらではもっと大らかに暮らせるんです。この開放感は何ものにも変え難い。2人でいつも『ここに来て寿命が延びたね』と話しています。仕事でもプライベートでも東京でつながっている縁を大切にしつつ、こちらでも少しずつ広げていけるといいですね」